無事、タイの国境を超えカンボジアに入国。
ここからは違うバス(というかミニバス)に乗り換える。
タイのバスとは天と地の違い。
ボディには「レストラン羅武」とある。
どうやら日本の廃車がここにきているみたい。
フロントガラスは割れとるし、先行きがちょっぴり不安。
しかも、この小さなバスに20名押し込まれる。
なぜかレストランの両替男も乗り込んでくる。
(怪しい・・)
シェムリアップまで約6時間。
(後で聞くとほんまは3時間で到着可能らしい。そこらへんのカオサン発ボッタクリツアーの事情についてはまたそのうち書きます。)
相当な悪路だとは聞いていたけれど、まさにその通り。
道はコンクリートではなく土でデコボコ。
上下左右に揺れる揺れる。
さびれた遊園地のアトラクションみたいw
個人的にはこの揺れが心地よかった。
車から覗くカンボジアの風景は、俺が東南アジアに来る前に頭の中で思い描いとったアジアでした。
勝手にテレビや写真とかから影響を受けて頭の中に思い描いとったアジア像。
コンクリートではなく、土のデコボコ道。
木とプレハブで作られている古い小屋。
土煙を上げながら走る車。
ありえないぐらい人を乗せているミニトラック。
スッポンポンで歩く小さい男の子。
こんな風景を眺めていたら時間はすぐ過ぎて、最初の休憩スポットへ。
見渡すかぎり、草原(畑?)と一本道しかないところにポツンとあるレストラン。
俺はお腹が減ってなかったし、近くを散歩した。
すると、三人組の小さな子どもを発見。
あっちも気づいてこっちによってきました。
三人ともめっちゃ笑顔。
すごい素朴で無邪気。
写真を撮るよー、と言うと、なぜかみんな決まってこのポーズw
ふたりの女の子は目元に化粧をしていました。
辺り一面草原(畑)しかないこの町。
何かほほえましかった。
世界共通で女の子はキレイになりたいもんなんじゃね。
三人とバイバイして、また悪路をひたすら進む。
透明度ゼロの泥川や泥池(沼)で泳いでる子どもや漁師がいた。
カンボジアの人たちはたくましいなぁ、と思った。
その透明度ゼロの川で自分が泳ぐことになるとは、このとき知る由もなかった・・・。
辺りが暗くなってきたところで最後の休憩スポットへ。
小さな町の商店。
ここで驚いたことがひとつ。
小学生ぐらいの売り子の女の子が日本語上手だということ。
だいたい観光地に行けばカタコトの日本語を話せる人はたくさんおるけど、ここの子ども達は文法もしかっりしとって、ちゃんとした文章を話せる。
しかも、英語も上手。
日本人は英会話教室とか通ったり、英語を話すために高いお金をかけるけど、一向に話せるようにならない。
それは、何で英語を勉強するのかといった目的や、英語を話す必要性があんまりないのと、ほんまに英語を習得したい!という気持ちがやっぱ足りないんじゃろう。
彼女たちは生きるため、生活をするために英語、日本語を話すことが必要だった。
あぁ、大事なのは環境じゃない、気持ちなんだ。と彼女たちから教わった。
はたまたボロバス羅武ちゃん号はひた走る。
何度かのエンスト(疑惑)で足止めはくらったけど、ようやくシェムリアップの町に到着。
時間は夜の22時。
結局、7、8時間かかった。
バスが到着したのはゲストハウスの前。
あの怪しい両替男がホテルを決めてない人はここに泊まれと言っている。
安いし、俺の友達だから安全だ、と。
何組かの欧米バックパッカーは入っていった。
俺はタケオに泊まるつもりだ、と言うと、タケオはデンジャラスだからやめとけ、と言う。
デンジャラスというやつが一番デンジャラスだ。
ということで、両替男の誘いを断り、タケオを探す。
といっても、もうあたりは真っ暗じゃし、この町の地理もわからないし、地球の歩き方も持ってない。
そうこうしとったら、バイタクの兄ちゃんが話しかけてきた。
タケオを知っとるか?と聞くと、知っているそう。
ここからは少し遠いらしいけぇ、彼に連れていってもらうことにした。
移動中、彼は妙なことを言ってきた。
「タケオは3つあるんだ。昔のはボロいから、新しいタケオに連れていってやるよ。」と。
あ、あやしい。
すぐさま「いや、日本人宿のタケオに連れて行け!」と言うと「そこはもうなくなった。新しく改築したんだ。」と言う。
そして、彼の言う新しいタケオに連れて行かれた。
細い路地で人通りがほとんどない見るからに治安の悪そうな立地。
そこのゲストハウスの看板を見ると・・・
「ゴールデン・タケオ」とある。
中を見せてもらったけど、宿泊客の気配もしない。
日本人宿にも関わらず、日本語表記もない。
日本の本がたくさんあるって聞いとったけど、一冊もない。
こんな宿をももちゃんがすすめるわけがないな、と思った。
移動の疲れもあり、少し腹が立ってきたのもあり、
「本当のタケオに連れて行け」
と、ちょっとキツク言うと、ようやくバイタクの兄ちゃんがバレタかというような落胆の表情を浮かべ、本当のタケオに連れて行ってくれた。
そのバイタクの兄ちゃんは謝りもせず、「明日俺がアンコールを案内してやるぜ」と言った。
「ふざけんな!」とだけ言って、タケオに向かった。
要約タケオに辿りついたものの、まさかの満室。
しょうがなく、タケオのオーナーに他のオススメの宿はないかと聞いて教えてくれた近くの宿へ泊まることにした。
ちなみにゴールデン・タケオはタケオとは全く関係ないらしい。
タケオが日本人に人気があるのに目をつけ、誰かがマネして作ったらしい。
こんなにあからさまにダマされたのは始めてじゃった。
怒りというよりもむしろ悲しかった。
ベットで転がりながら、寝る前に考えた。
彼だけに問題があるわけではないんだろうなぁって。
もちろんダマすという行為はよくないけど、彼らにも生活がある。
カンボジアの警察官の給料が月に30ドル。それぐらい給与水準は低い。
いくら物価が安いとはいえ、30ドルでは満足な生活はできない。
町には日本製の電化製品やバイクが走っている。
そして、それらは日本とほぼ同じ値段で売られている。
それを持っているか、持っていないか。買えるか、買えないか、で貧富の差が生まれる。
日本人をダマすことでお金を得るバイタクの兄ちゃんを生み出してしまった責任は、我々日本にもあるんじゃないかなぁ。
そんなことを考えているうちに寝てしまった。
明日は気を取り直して、アンコールワットに行きます!!
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